公正証書遺言の作成費用に関するQ&A
公正証書遺言の作成費用としては、どのようなものがあるのでしょうか?
公正証書遺言を作成する際には、公証役場に一定の費用を支払う必要があります。
まず、財産の価額等に応じて、手数料が発生します。
公証人が出張する場合には、日当と交通費が必要になります。
公正証書遺言を作成する際には、法律上、証人2名が立ち会う必要があります。
未成年者、推定相続人、推定相続人の配偶者と直系血族、受遺者、受遺者の配偶者と直系血族については、証人になることができないため、これら以外の証人を2名準備する必要があります。
証人2名を自分で準備できない場合には、公証役場に証人を準備してもらうこともできますが、このときには、その証人に対して謝礼を支払う必要があります。
また、公正証書遺言の作成に先立ち、弁護士等の専門家に文案を作成してもらうことがあります。
複雑な内容の遺言の場合、法的問題を検証した上で遺言を作成したいときには、事前に専門家に文案を作成してもらった方が、公正証書遺言の作成がスムーズに進むことがあります。
この場合には、専門家に対して報酬を支払うこととなります。
公証役場の手数料はどれくらい必要なのでしょうか?
公証役場の手数料は、財産の価額や遺言の枚数により変わってきます。
① 財産の価額による手数料
財産の価額との関係では、以下のような費用が定められています。
100万円以下:1万6000円
100万円超200万円以下:1万8000円
200万円超500万円以下:2万2000円
500万円超1000万円以下:2万8000円
1000万円超3000万円以下:3万4000円
3000万円超5000万円以下:4万円
5000万円超1億円以下:5万4000円
1億円超3億円以下:5万6000円~9万5000円
3億円超10億円以下:10万6000円~24万9000円
10億円超:25万7000円~
※ 遺言加算を考慮した金額です。
なお、遺言について、予備的条項といったものを設けることがあります。
たとえば、「Aに土地(評価額1000万円)を相続させる。万一、Aが私よりも先に死亡した場合には、Bに前記の土地を相続させる。」といったものが予備的条項に該当します。
この場合には、本来の条項の部分と予備的条項の部分とで、別々に財産の価額がカウントされます。
先の例ですと、評価額1000万円の土地が2回カウントされ、2000万円が財産の価額とされます。
② 遺言の枚数による手数料
公正証書遺言は、通常、公証役場で保管する原本、遺言者に交付される正本、謄本が作成されます。
原本については、4枚を超えた場合には、超えた枚数あたり250円の手数料が発生します。
正本、謄本については、1枚あたり250円の手数料が必要になります。
①の手数料と②の手数料を加算し、公正証書遺言の作成の手数料を計算することとなります。
公証人に出張してもらった場合には、どのような費用が必要でしょうか?
遺言者が公証役場に赴くことが難しい場合、公証人に出張してもらい、公正証書を作成することができます。
たとえば、遺言者の自宅、入院先の病院、入所先の介護施設に出張してもらうことがあります。
このような場合には、先述の手数料が50%加算されることがあります。
加えて、日当2万円(4時間以内であれば1万円)、公証役場から作成場所までの交通費(原則タクシー代)も必要になります。
証人を手配してもらった場合には、どのような費用が必要でしょうか?
公正証書遺言を作成する際には、2名の証人が立ち会う必要があります。
証人については、相続人、受遺者、相続人の配偶者と直系血族、受遺者の配偶者と直系血族はなることができないとされています。
このため、2名の証人を準備できないこともあると思います。
このような場合には、公証役場に証人の手配をお願いすることができます。
証人の手配をお願いした場合には、証人の謝礼も必要になります。
謝礼の額は、公証役場によって異なりますが、1名あたり3000円から1万円程度であることが多いです。
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